「右側だけうまく外に流れない」「左側は決まるのに右側だけ内に入ってしまう」——サロンでこの悩みを話すと、9割以上の方が「私もそうです」と言います。
これ、技術の問題ではありません。つむじと毛穴の向きが原因です。そしてコツは「感覚」ではなく「平行・垂直」という理論で解決できます。
結論
右側がうまく巻けない原因はつむじ・毛穴の向きです。解決法は「アイロンを鏡と平行・床と垂直にセットして前に引くだけ」。手首を捻る必要はありません。
このあと図解でもわかりやすく説明します。このまま読み進めてください。
僕は表参道のサロン「NEHAN」で年間1,000人以上の髪を担当する現役美容師です。顔まわりの右側の悩みはサロンで毎日のように聞かれます。「感覚でこう!」ではなく、理論で再現できる方法をお伝えします。
右側だけうまくいかない本当の理由
まず知っておいてほしいのは、これはあなたの技術の問題ではないということです。
理由は主に2つあります。
つむじ・毛穴の生えグセの問題
多くの方のつむじは右巻きです。そのため顔まわりの右側の毛穴は、内側に向かって生えやすい向きになっています。日本人の多くは、サイドバングは外に流したいのに、右側は内側に入りやすい生えグセになっている——これが右側が難しい根本原因です。
利き手・肘の高さの問題
右利きの方が右側を巻こうとすると、肘の角度が詰まって下がってしまうんです。左側を巻く時は自然と肘が上がるのに、右側になると下がる——これによってアイロンの角度が崩れて巻きづらくなっています。
美容師しか知らない話|根元の向きと毛先は逆に動く
ここは他の記事にもあまり書いていない、美容師ならではの知識です。髪の根元の向きと、毛先の向きは逆に動きます。
右側の毛穴が内側に向いて生えている場合、根元は内向き、でも毛先は外向きに自然と動く——本来はそういう構造です。ただ、この根元の向きが強いとアイロンで外巻きにしても、時間が経つと根元が元に戻ろうとして、毛先まで内側に引っ張られてしまう。
つまり、毛先だけアイロンで形を作っても、根元を矯正しないと時間が経つと戻ってきてしまうんです。これが「朝は決まってたのに、昼には右側だけ崩れてる」の正体です。
解決の第一歩は「ドライヤーで根元を矯正」すること
では、どうやって根元を矯正するか。答えは「ドライヤーで乾かす段階で、根元の向きを強制的に変える」ことです。
根元矯正の順番(これをやるだけで右側が別物になります)
① 濡れた状態から、右側の根元を「流したい方向の逆」に引っ張って乾かす
外に流したいなら、まず逆(内側)に引っ張って熱風を当てる。強制的に向きを崩す工程。
② 乾いたら、流したい方向(外向き)に引っ張って再度熱風を当てる
ここで外向きの「癖」が根元に入る。ドライヤーの段階で根元が矯正される。
③ アイロンで毛先に流れを作る
根元が既に外を向いている状態でアイロンを通すので、形が持ちやすい。
この順番を守らないと、いくらアイロンで頑張っても「時間が経つと結局また内側に戻ってきてしまう」という状態になります。
アイロンの時は「肘を床と平行」に上げる
右側を巻く時、無意識に肘が下がって腕が詰まってしまうのが、巻きづらさの大きな原因です。
コツは「肘を床と平行になるくらい、しっかり上に上げる」こと。左側を巻く時は自然と肘が上がりますが、右側は意識しないと下がります。肘の高さを意識するだけで、アイロンの角度が安定して、右側でも巻けるようになります。
「感覚でこう!」は再現性がゼロです。感覚に頼ると左右で違う動きになって当然。①根元の矯正(ドライヤー)②肘の高さ③アイロンの角度理論——この3つを組み合わせることで、右側でも毎回同じ結果が出せます。
理論で解決する正しい巻き方
手順はシンプルです。「平行」と「垂直」という2つの理論だけ覚えてください。
顔まわり・右側の巻き方(理論で再現できる手順)
巻きたい毛束を床と平行に持ち上げる
顔まわりの毛を横に持ち上げて、床と平行になるようにキープします。毛先を持つのがポイント。
髪の中間あたりからアイロンを床と垂直に入れて挟む
毛先からではなく中間から入れます。アイロンを床と垂直(縦向き)にして挟む。ここが重要です。
アイロンのプレートを鏡と平行にひねる
「アイロン本体が床と垂直・プレートの面が鏡と平行」になっていればOKです。この状態が確認できれば、感覚に頼らずポジションを決められます。
その状態のまま、ただ前に引っ張るだけ
手首は捻らない。後ろに流そうとしない。アイロンのポジションを維持したまま、まっすぐ前に引くだけです。引っ張る方向だけで外への流れが自然につきます。
「鏡と平行・床と垂直」この2つを鏡で確認しながらやると、感覚ではなく目で確認できるので再現性が全然違います。毎朝同じ結果が出せるようになります。
サロンでの施術。アイロンの角度が結果を決めます
再現性を高めるための3つのポイント
① 根元から引っ張らない
毛先ではなく「中間から」入れるのがポイントです。根元から入れると抵抗が大きくなってアイロンの角度がブレやすくなります。
② 毛束は細めに取る
顔まわりの毛は特に細かく取った方が熱が均一に入ります。一度にたくさん取ると角度がズレやすく、結果が安定しません。
③ 熱が入ったらすぐ引く・長く当てない
顔まわりの毛は細くて繊細なので、長く当てるとダメージになります。ポジションが決まったらすばやく引くのがコツ。これも再現性に直結します。
サロンでの体感データ(表参道・2026年)
「顔まわりの右側が決まらない」と感じている方
※実際に担当しているお客様ベースの体感データ(表参道サロン・2026年)
道具の滑りも大事な話
理論通りにやっても「なかなか決まらない」という方に、もう一つだけ。
顔まわりは細い毛を少ない束で巻くので、プレートの滑りの差が一番出やすい部分です。引っかかりがあると角度がブレる・熱を余計に当てすぎるという状態になります。
プレートの滑りが良いアイロンに変えると、角度がブレずに一発で決まりやすくなります。やり方が同じでも道具が変わるだけで、顔まわりの仕上がりが変わることは多いです。
▶ ヘアアイロンで髪が痛まない方法|シルクプレートと滑りについて
よくある質問
まとめ
右側が決まらないのはつむじ・毛穴の向きが原因。技術の問題ではない
「アイロン本体を床と垂直・プレートを鏡と平行」でポジションを固定
手首を捻らず・後ろに流さず、まっすぐ前に引くだけ
感覚ではなく理論で動作を固定することで、毎回同じ仕上がりが出せる
表参道美容師 天ヶ瀬哲平
「右側だけできない」と悩んでいる方に伝えたいのは、それはあなたのせいじゃないということ。生えグセという構造的な問題なので、やり方を変えれば必ず解決します。「平行と垂直」を鏡で確認しながら一度試してみてください。
髪が変われば人生も変わる。貴女のこれからが一歩でも前に進みますように。
天ヶ瀬 哲平
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